京大オケ第197回定期演奏会の本番まであと約1週間となりました。今回は、定期演奏会で取り上げるプロコフィエフ「交響曲第5番」について、Tubaの視点から書きます。
プロコフィエフは、作品中でTubaを多用することで知られています(少なくともTuba奏者の間では)。
「交響曲第5番」もTubaの出番がたくさんあります。パート譜は実に17ページ!余裕をもって書かれているということもありますが、これはマーラーの交響曲のTubaパート譜に匹敵するページ数です。マーラーのほうは曲が長いのでページ数が多いのは当然と言えば当然ですが、プロコフィエフの交響曲は40分程度でこれほどのページ数があり、驚異的ですらあります。ちなみに最近京大オケで取り上げたブラームス「交響曲第2番」は3ページ、シベリウス「交響曲第2番」は6ページでした。ともに曲の長さ自体はプロコフィエフ「交響曲第5番」と大差ありません。楽譜の書かれ方は一様ではないのでページ数だけでは単純には比較できませんが、プロコフィエフ「交響曲第5番」のTubaパートの譜面量がいかに多いかはわかっていただけるでしょう。
この「交響曲第5番」ですが、我々オケのTuba吹きにとっては貴重な「Tubaに主旋律が書かれている曲」です。オーケストラの曲ではTubaに主旋律が割り当てられることはあまりありません。普段Tubaが担当しているベースラインも、案外メロディックに書かれているので、メロディー(に準ずるもの)を吹く機会は実は少なくないのですが、それはあくまでも主旋律の裏でやっていることで、メインの旋律ではありません。しかし、「交響曲第5番」では主旋律がTubaにもあるのです。しかもたくさんあります(Tubaにしてみればですが)。それを如何に吹くかが難しいところです。
「交響曲第5番」におけるTubaの使われ方の特徴をもう一つあげるならば、「低音域の多用」でしょうか。これはプロコフィエフのほかの作品にも共通することですが、楽譜の五線に収まらない音がたくさん出てきます。かなり楽しいです。ちなみに同じくプロコフィエフの「交響曲第7番」は「交響曲第5番」以上に低音域が多用(もはや偏用か)されていますので、興味のある方は一度楽譜をご覧ください。そんなことに興味のある人はいないと思いますが……。
演奏会本番も間近ですが、さらによい演奏を目指してまいります。
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Tubaパート譜の一部 |
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驚異の17ページ |
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